秩父弁だんべぇ

2011年 5月 28日秩父弁だんべぇ 「ほしすみれ」の巻

春一番に咲く花はというと幾つか思い浮かぶが、地面にひっそりとはりついて咲く、イヌフグリとよばれる薄紫の小さな花も一つだろう。 しかし、なぜかイヌのついた植物の名にはあまりかんばしいものがない。 野草で ……

2011年 3月 26日秩父弁だんべぇ 「ひひなかす」の巻

皆野町日野沢地区の人形流しは陰陽師の禊ぎ祓いの古俗を伝える。 行事として有名だが、この形代とよばれた紙の人形が雛遊びの原形である。 初め平安時代の貴族の子女の遊びとして、着せ替え人形や、調度品を飾った ……

2011年 1月 27日秩父弁だんべぇ 「おっかど」の巻

1月15日の小正月は、1日の大正月に対する言葉である。 この日は座敷に繭玉飾りをして繭の豊作祈るように、生産を予祝する日である。 千年も前の『枕草子』に、この日宮廷の女官たちが粥杖を隠し持っていて、知 ……

2010年 11月 25日秩父弁だんべぇ 「もじっけー」の巻

モジッケーヨだといえば、かわいい子という意味である。 人によってはムジッケーということもあるようだ。 歌舞伎『傾城金秤目』には「むじっこい事をしたと涙がこぼれる」というセリフがあるが、これはかわいそう ……

2010年 9月 23日秩父弁だんべぇ 「かたけに」の巻

「そんなカタケに食うと、腹が痛くなるよ」子どもの頃、夢中で頬張って、親からそんな事を言われた覚えのある人は多いだろう。 言い方から、カタケとはたくさんという意味にきこえるのだが、カタケとは?  三二〇 ……

2010年 7月 29日秩父弁だんべぇ 「いとーしねー」の巻

秩父弁でいうイト―シネーとは、かわいそうだ、気の毒だという意味。 この元は、イトオシイで約八百年前に書かれた『宇治拾遺物語』では、辛いという意味と気の毒という意味で使っている。 この書物の中には後に童 ……

2010年 5月 27日秩父弁だんべぇ 「ちょーきゅー」の巻

秩父の方言のなかでもチョーキュー(ダ・ナ・ニ)はいまでもかなり頻繁に使われているようである。 これを方言と思わずにつかって、チョーキューって何?と問い返された経験をもつ人も多いのではないか。 「お釣り ……

2010年 3月 25日秩父弁だんべぇ 「ひもじー」の巻

前回のヒダリ―が話題になると「ヒモジ―とも言ったが、 どっちが古いことばなんださァ」という疑問が出る。たしかに、 秩父では空腹のことをヒダリ―ともヒモジ―ともいったものである。ヒモジ―だ思い出すのは歌 ……

2010年 1月 26日秩父弁だんべぇ 「ひだりー」の巻

飽食の時代になって、秩父でもヒダリ―ということばはほとんど聞かなくなったが、 戦中戦後の食糧難時代には毎日のように使った言葉だった。 ヒダリ―はヒダルイが秩父風に転じたものだが、古くはヒダルシといった ……

2009年 11月 30日秩父弁だんべぇ 「じんじく」の巻

「昔は道が悪かったから、雨でも降りゃ高島田の嫁ごだって長ぐつで行ったもんだが、 どうもジンジクしねェやー」などとつかうジンジクは、釣り合いがとれているとか、 よく似合うという意味である。 これは『平家 ……

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