「ショッペー」の巻
「血圧が高えからショッぺー物ぁ控えてるんだぃ」などというショッペーは、言うまでもなくショッパイが訛ったものである。
このショッパイは全国共通語と思っている人が多いようだが、実は江戸末期生まれの関東方言である。
詳しく言えば、静岡県の浜名湖と新潟県糸魚川市とを結ぶ日本アルプスの山脈より東の方言で、そこから西ではカライ、もしくはシオカライと言う。この浜名湖から糸魚川ラインは他にも幾つもの言葉を分けている。
代表的なものが東のイルと西のオル。険しい山脈が長い間東西の文化や言葉の交流を阻んでいた。
おもしろいことに、東西の中間地点に当たる伊豆地方には、ショッパイとシオカライが交じり合って、ショッパライという言い方もある。
ショッパイの語源はシオハユシ・シオハユイ(塩映ゆし)これが威勢のいい江戸っ子言葉でショッパイとなり、秩父言葉ではもっと威勢をつけてショッペーとなったものである。