「じゅーくー」の巻
あかちゃんが人見知りでもするようになると
「まぁ、ジューク―なもんだよ。ハア、人見知りなんかして」と言って笑い、
やがて大人のマネをして、ませたことでも言うと「この子はジューク―な子だよ」といって、
目を細める。
ところが、少年になってからうっかり大人の相談事などに口を挿んだりすると
「子どものくせにジューク―な事を言うな」と。ピシャリやられる。
また、子ども仲間で少しでも序列を破ったとみなされると、先輩から、
ジューク―な野郎だとにらまれる。
江戸時代の川柳に『ぢうくうな事ばかりいう宿下り』がある。
宿下りは奉公人が盆暮れに生家に帰る事。
久しぶりに親に甘えて勝手気ままな事を言っている様子。
ジューク―は漢字で書くと、『自由句』で、何事にもとらわれずに言う言葉のこと。
197年前の『浮世風呂』には、「夏が来れば冬がいいというし、
冬が来れば夏がいいと言うし。人間というものは、自由ツくな事ばかりいうものよ」
というせりふはある。