「ちょーきゅー」の巻
秩父の方言のなかでもチョーキュー(ダ・ナ・ニ)はいまでもかなり頻繁に使われているようである。
これを方言と思わずにつかって、チョーキューって何?と問い返された経験をもつ人も多いのではないか。
「お釣りのいらないように、チョーキューに」は過不足なく。
靴をはいてみてそう言えばピッタリの意。
「チョーキューに計算」といえば間違いなく。
「チョーキューな仕事」は正確なこと。
「チョーキューな人」なら完全な人格者ということになる。
こんなに幅広く便利につかえることばなのだが、それはどんな漢字を当てるのかというと、どうやら「長久」であるようだ。
戦時中にはよく「武運長久」と祈ったものだが長久なら物でいえば長持ちすること。
それは理にかなったもののはずだから、当然、正確、完全という意味ももつ。
秩父のようにチョーキューダ(ナ・ニ)をつかいこなしているのは他には山梨と長野のごく一部のようである。