「メッタメッタ」の巻
「メッタメッタ」は秩父では普通に使われているが、
他所ではヘンな言葉と笑われることが多い。
けれども、本当に変な言葉なのか。
321年前の『日本永代蔵』には病気が「めためたと悪くなり」という表現があり、
山梨県塩山市辺りでは今でもメタメタと言っている。
秩父のメッタメッタはこれを強めたに過ぎない。
メタがメッタになったのは江戸時代後期のことで、
「めったやたら」「めった無性」などという言葉もできた。
例の『浮世風呂』に将棋をさしている所へ酔っぱらいが来て「めっちゃにかき回す」場面がある。
このようにメッタはメッチャになり、やがてメチャメチャとかメチャクチャという言葉も生まれている。
メタメタという同じご先祖さまからでたのにメチャメチャは正統な言葉で、
メッタメッタは変な言葉だ、などというのはまったくメチャクチャな話である。
秩父の人間jは胸を張って「減多々々」をメッタメッタ使うべきである。