神葬祭その1
お葬式を行うにあたっての準備や流れなど、仏式と大きな違いはありません。
しかし、儀式などの呼び方やお供え物などが変わります。
1. 枕飾りで備えるお膳はご飯・味噌汁や故人の嗜好のものをお供えします。
この時のご飯には箸は立てません。またお団子も不要です。
2. 納棺の際の衣装は、仏教では旅装束として「経帷子(きょうかたびら)」を使用します
が、神式では「神衣」と呼ばれる白い衣装を着せ、男性なら笏を持たせて烏帽子を
被せ・女性なら扇を持たせて神様の衣装とします。
3. 仏式では僧侶に戒名または法名を付けていただきますが、神式でそれに当たるのが諡
です。故人の名前の後に、男性の場合には「翁(おきな)」女性の場合は「媼(おうな)」
などの霊号がつけられます。
4. 神式でのお供え物は米や酒、魚や果物などで神饌物と呼ばれています。
5. 不幸にして人が亡くなる事を帰幽と言い、神式で死去したことを意味します。
帰幽とは、人がなくなるとその御霊(みたま)はやがては祖先のもとに帰りつき、祖先
の神々の仲間入りをする、ということに由来したものです。
6. 神式では通夜を通夜祭、葬式を葬場祭と呼びます。また仏式の初七日に当たるのが十日
祭。火葬または納骨が終わり喪主以下が家に帰って霊前に葬儀が終了したことを奉告す
る儀を帰家祭と言います。
7. 神式に象徴される儀式の中に、解釈は異なりますが仏式の引導のように大切な儀式に遷
霊祭があります。「御霊移しの儀」とも言い、夜を象徴して部屋を暗くし、神職により
遺体から霊璽(れいじ)へ御霊が移される儀式です。
8. 故人への拝礼の行い方は、基本的に「2拝・2拍手・1拝」で行い、お焼香ではなく、
玉串拝礼を行います。
9. 葬儀の後に、神職、関係者等が故人を偲びながら行う「お席(お食事)」を神式では「直
会(なおらい)」と呼びます。