「あてずっぽー」の巻
山林の買付けや鉱山の探索をする人を山師といった。経験と勘に頼ることなので、当たり外れが多い。そこから賭け事師の意味に広がり、ヤマを張る、ヤマを掛けるという語も生まれた。
よく似た言葉にアテズッポーがある。当て推量ともいうが、同じ言葉ではないようだ。江戸語では「当推(あてすい)」と略した用例も見られる。
大滝の山奥で鉱山を探したり、浄瑠璃を書いたりした平賀源内は、その作品『神霊矢口渡』に「そんなら、おいらも一思案、何ぞあてずっぽーにやってみようかい」とつかっている。大滝の山奥の鉱脈探しは根拠もあって、必ずしも当てずっぽーではなかったようだが。
当てずっぽーの語源は「当て寸法」が訛ったものという。指などを当てて適当に計るやり方である。また、「ヘタな鉄砲も数撃ちゃ当たる」とばかりに、むやみに撃ち放す鉄砲から出たものという説もある。さて、あなたはどっちが正解だと思う?当てずっぽーでもいいから答えてみて。