「コロナ禍で家族葬が多くなっていると聞いています。感染の心配も少ないし家族葬はお金もあまりかからないと聞くし……。
家族葬の方がよいのでしょうか？」

家族葬が多くの人に受け入れられるようになった今、逆に一般葬を選択肢から外そうと考える人もいるのではないでしょうか。
実際、家族葬は非常に優れた選択肢だといえます。

ただ、一般葬にも大きなメリットがあります。さまざまな葬儀の特徴とメリットデメリットを知ることは、「後悔のない葬儀」を行ううえで非常に重要となります。

ここでは、一般葬の特徴とメリットデメリットを紹介していきます。

一般葬は多くの人を受け入れて行う葬儀のことをいう

一般葬とは、一般的に多くの人にお声がけをし、沢山の方が参列して行う葬儀のことをいいます。
町内や会社関係などに広く訃報を伝えたりして、秩父地域ではあまりありませんが新聞に訃報を出したり、葬儀会場と葬儀日時の案内を行います。
訃報を見た人たちが葬儀会場を訪れるため、必然的に、一般葬は家族葬（喪家が声を掛けた人しか参列しない）よりも大きい葬儀になります。

家族葬においてはしばしば一日葬（通夜を省いて葬式・告別式のみを行う形態）や直葬（火葬のみ）などを考える方もいらっしゃいますが、特段の事情がない限り、一般葬は通夜～葬式・告別式～法要（仏教の場合）～精進落とし　がセットで行っていると思います。

一般葬のデメリット

一般葬には、いくつかのデメリットがあります。

まず1つめに、「費用が掛かりがち」という点です。
一般葬の場合は多くの人が参列することになるので、通夜ぶるまいにもお金がかかります。会場も広いところを借りなければなりませんし、人件費もかかります。葬儀の総額が150～200万円を超えることも珍しくありません。

次に、「時間がかかること」が挙げられます。
焼香は参列者一人ひとりが行うことが多いといえますし、弔辞や弔電の紹介でも時間がとられます。精進落としや通夜ぶるまいの席も長引くことがあり、葬儀にかかる時間は家族葬よりもずっと長くなります。

最後に、「故人とのお別れの時間が思うようにとれないこと」を挙げましょう。
一般葬の場合、会社関係や町内関係など、「挨拶すべき相手」がたくさん参列者としてやってきます。その対応や挨拶に追われ、故人とのお別れの時間がなかなかとれなくなってしまうこともあります。

一般葬にもメリットがある！

ただ、一般葬にも多くのメリットがあります。

一番大きなメリットは、「多くの人が故人とのお別れを惜しめる」という点です。
家族葬の場合は喪主（喪家）から声を掛けた人しか参列できませんが、一般葬の場合は広く参列者を受け入れます。
そのため、「最後に一言お別れが言いたい」「お顔を見てお別れをしたい」と考える人が参列できるのです。
「最後のお別れができなかったこと」は、深い後悔となって残ることがあります。しかし一般葬にすれば、そのような悲しみを背負う人も少なくなります。

「多くの人が故人とのお別れを惜しめる」と関連するのが、「後日になって弔問に訪れる人に対して対応する手間を省ける」という点です。

家族葬の場合、声を掛けられなかった人が後日弔問に訪れるケースがあります。
一般葬ならば葬儀のときに一度にお別れを済ませてもらえますが、家族葬の場合は個別に対応する必要があります。またこのときに不祝儀を頂いた場合、それに対するお返しもしなければなりません。

一般葬の場合、「親族などから反対が出にくい」のもメリットです。家族葬は現在は広く知られた葬儀形態ですが、依然として、「小さい葬儀はかわいそう」と感じる人もいます。また、呼ばれた人と呼ばれなかった人の間で感情的な軋轢（あつれき）が生じることもありますが、一般葬ならばその心配もいりません。

まとめ

このように、一般葬にはメリットもあればデメリットもあります。「家族葬が良いか、それとも一般葬が良いか」は、簡単に答えが出るものではありません。
ただ、これらの特徴を知っておくことは、「自分の（あるいは家族の）葬儀は、どのようにするのが理想的か」を判断するための力となるでしょう。

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